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テキトーおじさんの魅力がはかりしれない/にやま「僕のおまわりさん」

テキトーおじさん・誠治くん(40)のかわいさと、むっつり警官・晋(30)の純情をぜひ見ていただきたい、にやまさんの「僕のおまわりさん」。単行本が1冊出ていて、続編が現在電子で連載中。

 

僕のおまわりさん (バンブーコミックス moment)

僕のおまわりさん (バンブーコミックス moment)

 
僕のおまわりさん2(1) (moment)

僕のおまわりさん2(1) (moment)

 

 

あらすじ

お世辞にも儲かっているとはいえないタジマ商店を営む田島誠治と、その商店によく訪れる警官・仲本晋。

誠治と晋が知り合ったのは10年以上前、晋がまだ高校生のころ。誠治が警官を辞めたことで一度は途絶えた縁だが、店近くの交番に晋が駐在となったことから、再び交流するようになる。

商工会主催の街コンを運営している誠治の何気ない「あーあ、俺もいっそ男に乗り換えよっかなァ」の一言から、晋の押さえこんでいた恋心が爆発し――!?

無邪気なわんこと猫かぶり (バンブーコミックス moment)」にも登場する適当おじさんと、むっつり警官の年の差ラブ。

 

40歳・誠治の愛嬌がよくわかんないけどすごい(語彙)

作品がはじまったときはまだ39歳だったなあ、って読み返してて気づいたけど、39歳にせよ40歳にせよ誠治くんのかわいさ、というか天然の愛嬌がすごくて(…)、正直、「誠治がかわいい」以上のことを伝えられない。

でも、「かわいい」ばかり言っているわけにもいかないので、説明すると!

この作品のポイントは、二人の感情や思い出の描写、過去があって現在がある、といった、生活のなかでのディティールを積み上げることで厚みを増したお話のおもしろさ、だと思います。

生活の描写で重要な位置をしめているのが、誠治が飼っている猫のチコさん。

猫ってこういう行動とるよね、こういう動きするよね…みたいな猫との生活をきちんと描いていて、誠治とチコさん、晋とチコさん、というコミュニケーションも見ものです。

二人がキスしてるそばで「ンオァー(なにやってるの?)」と鳴いちゃうチコさん……。誠治にごはんをねだるチコさん……。晋のふとももにはさまって寝ちゃうチコさん……。誠治はお母さまがもう亡くなっているので家にひとりなんですよね(母一人、子一人の家)。本人も忘れているくらいの、かすかな孤独に差し込まれるチコさんと晋の存在はぐっとくるものがあるので、ぜひ手にとってみてください。

ちょっとだけ、えっちなしーんもあるよ。